日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
技術論文
紫かんしょのアシル化アントシアニン由来6-O-Caffeoylsophoroseの大量調製法
福井 敬一松ヶ野 一郷杉田 浩一寺原 典彦松井 利郎松本 清
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 53 巻 4 号 p. 214-217

詳細
抄録

工業用の合成吸着樹脂HP20とオープンカラムを用いて純度の高い6-O-Caffeoylsophorose(CS)の精製方法を検討した.紫かんしょ色素(PSP)を弱酸性加熱分解して調製したCS混液からカラムクロマトグラフィーでCSを分離・精製すると,PSP由来のクロロゲン酸等がCSと同時に溶出し,純度を上げることは困難であった.従って,PSPからクロロゲン酸を除去する方法,及びその色素を用いて高純度のCSを調製する方法を検討した.
(1)カラムに吸着させたPSPを15%エタノールで展開すると,アントシアニン類は樹脂に吸着されたままでクロロゲン酸等が溶出され,クロロゲン酸を含まないPSP(CF-PSP)が66%の収率で得られた.
(2)CF-PSPを弱酸性加熱分解してCS混液を調製し,これをダイヤイオンHP20樹脂カラムに吸着させ,15%エタノールで展開すると,不純物の少ないCSが12%の収率で得られた.分取HPLC法によって調製したCS画分を100%標準として,得られたCSの純度は約80%であった.

著者関連情報
© 2006 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top