日本食品科学工学会誌
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研究ノート
ブタノール法による魚油および食品抽出油脂のカルボニル価の測定
遠藤 美砂子薄木 理一郎江口 万里江佐藤 由紀千葉 美子清野 陽子佐々木 多栄子遠藤 泰志
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2007 年 54 巻 1 号 p. 54-58

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抄録

新しいCV測定法であるブタノール法を魚油および食品抽出油脂の測定にはじめて応用した.
魚油の測定では,ベンゼン法との相関性を認めると共に,ベンゼン法では測定できないPVの高い試料や,酸化初期の微量なCVの増加量を,正確に測定できることが示された.
また,食品抽出油脂の測定においては,試料量が少なくても測定でき,サンプルの色が測定値に影響を与えることがなかった.
本法は,操作が簡便で精度が高く,かつ測定用溶剤の毒性が低く使用量も少なくてよいことから,食品製造現場などでの測定にも適しており,魚油や食品の酸化劣化度を評価するために有効な方法であると考えられる.

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© 2007 日本食品科学工学会
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