日本食品科学工学会誌
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多孔性無水結晶糖質による亜麻油の包括粉末化
大橋 哲也渋谷 孝奥 和之吉井 英文古田 武
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2008 年 55 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

エタノール法により得た多孔性の無水結晶糖を使用して亜麻油を粉末化し,脂肪酸の保存安定性を従来の含水結晶,及び無水結晶糖を使用した場合と比較検討した.多孔性の無水結晶トレハロース及び無水結晶マルトースを使用して亜麻油を粉末化した場合,良好な包括粉末状態を作製できた.粉末化した亜麻油は,トレハロースを用いた場合が結晶構造に拘わらず安定であった.亜麻油の酸化によるアルデヒド発生量は,多孔性無水結晶で亜麻油を包括した場合,従来の無水結晶で包括した場合に比較して約1/2であった.これは,揮発性アルデヒドが細孔内に吸着されることによって気相中への揮発量が抑制されているためと推察された.

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© 2008 日本食品科学工学会
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