日本食品科学工学会誌
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脱水ダイコンの物理的,電気的性質に及ぼす凍結および解凍操作の影響
志塚 淳小川 幸春田川 彰男
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2008 年 55 巻 4 号 p. 158-163

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抄録

ダイコンのデハイドロフリージングにおいて,脱水,凍結,解凍の条件および方法に関して物理的性質の面から検討した結果,以下の知見を得た.
(1)脱水後における電気インピーダンスの測定結果から,デハイドロフリージングの脱水条件として,乾式脱水法かつ低温乾燥が可能である減圧乾燥20℃[の適用の可能性がある.
(2)硬度およびドリップ損失の観点から,脱水されたダイコンの凍結方法は水産物や畜産物と同様,急速凍結法が適当である.
(3)脱水試料をブライン凍結した後に0℃[で解凍することにより,ドリップ損失が減少した.また,電気インピーダンスの測定結果から細胞の損傷を抑制できる可能性が得られた.
(4)ドリップ損失の観点から,解凍温度は低温が適していると考えられるが,0℃[付近において更なる検討が必要である.

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© 2008 日本食品科学工学会
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