日本食品科学工学会誌
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島根県産紫黒米に含まれるアントシアニン系色素の同定とラジカル消去活性
渡部 忍今若 直人勝部 拓矢山崎 幸一
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2009 年 56 巻 7 号 p. 419-423

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抄録

島根県農業技術センターで育成された系統である紫黒米105は,アントシアニン色素を豊富に含み,機能性食品素材として期待されるため,ラジカル消去活性測定および色素の同定を行った.HPLC分析により2つのピークが検出され,NMR分析,LC/MS分析などによりCy3-glcとPn3-glcを同定した.これらの色素を含む精製色素画分にはDPPHラジカル消去活性,スーパーオキサイドラジカル消去活性が見られた.精製色素画分のラジカル消去活性値に対するCy3-glcおよびPn3-glcの活性は60%であった.色素以外の活性成分として,プロトカテク酸を同定した.プロトカテク酸はCy3-glcが酸化分解される過程で生成することからCy3-glcに由来するものと推察された.Cy3-glc, Pn3-glcおよびプロトカテク酸の活性は精製色素画分の活性の70%程度であった.

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© 2009 日本食品科学工学会
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