日本食品科学工学会誌
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研究ノート
米·麦·雑穀粉およびその焙焼粉で焼成した菓子の力学特性とその粉末の粘度特性
肥後 温子
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2016 年 63 巻 12 号 p. 561-569

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抄録

米·麦·雑穀類の生粉およびその焙焼粉製クッキーおよび焼,蒸パンケーキ焼成菓子粉末についてRVA粘度を測定し,原料穀粉のRVA粘度との関係,焼成菓子粉末のRVA粘度と力学特性との相関関係を調べた.

(1)クッキーは原料穀粉の粘度特性が保持され,原料穀粉のRVA特性値(ピーク粘度,ブレークダウン値)との間に高い相関が得られた.焼,蒸パンケーキの場合にはピーク粘度が原料穀粉の平均18%に,ブレークダウンが平均7%以下に低下したが,原料穀粉のRVA特性値との間に弱い相関が得られた.

(2)複数の焼成菓子ではブレークダウン ≺ ピーク粘度 ≺ セットバックの順に原料生粉100粘度比率が高くなるなどの共通点がみられ,加熱焼成後も原料穀粉の特徴が残存した.

(3)クッキーの場合には焼成菓子粉末のRVA特性値(ピーク粘度)と高湿度域の力学特性値との間に相関が得られ,蒸パンケーキの場合には焼成菓子粉末のピーク粘度と焼成菓子の力学特性値(最大応力×凝集性)との間に高い相関が得られた.

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© 2016 日本食品科学工学会
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