米·麦·雑穀類の生粉およびその焙焼粉製クッキーおよび焼,蒸パンケーキ焼成菓子粉末についてRVA粘度を測定し,原料穀粉のRVA粘度との関係,焼成菓子粉末のRVA粘度と力学特性との相関関係を調べた.
(1)クッキーは原料穀粉の粘度特性が保持され,原料穀粉のRVA特性値(ピーク粘度,ブレークダウン値)との間に高い相関が得られた.焼,蒸パンケーキの場合にはピーク粘度が原料穀粉の平均18%に,ブレークダウンが平均7%以下に低下したが,原料穀粉のRVA特性値との間に弱い相関が得られた.
(2)複数の焼成菓子ではブレークダウン ≺ ピーク粘度 ≺ セットバックの順に原料生粉100粘度比率が高くなるなどの共通点がみられ,加熱焼成後も原料穀粉の特徴が残存した.
(3)クッキーの場合には焼成菓子粉末のRVA特性値(ピーク粘度)と高湿度域の力学特性値との間に相関が得られ,蒸パンケーキの場合には焼成菓子粉末のピーク粘度と焼成菓子の力学特性値(最大応力×凝集性)との間に高い相関が得られた.