論文ID: NSKKK-D-22-00053
本研究では, 機械そうめんの食味の特徴をミクロ構造から解明することを目的とした. 食味検査により, そうめんのコシ (弾力) は, 機械そうめん (神埼そうめん, MS1) <手延べそうめん (揖保乃糸, TS) <機械そうめん (ナンバーワン, MS2) の順となった. 一方, 破断強度の測定によって求めたコシは, MS1<MS2<TSの順に強くなった. 放射光CTスキャン測定により, TS (乾麺) は中心部に帯状の大きな空隙が存在しており, 茹でた後も一部帯状の空隙が残っていることがわかった. この外側と中心部の内部構造の違いが, 破断強度のコシが強い要因であると考えられる. 一方, 機械そうめんは小さな空隙が均等に分散した内部構造であった. これが, 破断強度のコシが低い値となった原因であることがわかった. しかし, 食味検査でMS2がTSよりもコシが高いという結果であったことから, 茹で操作における吸水速度も食感に影響したと考えられる.