日本食品科学工学会誌
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自然災害におけるリンゴの現状と加害果の利用
竹内 正彦
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キーワード: リンゴ, 自然災害, 加害果, 利用
ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: NSKKK-D-23-00007

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抄録

近年,地球温暖化による農産物への被害,影響が懸念されている.リンゴでは高温により,着色不良や内部褐変の発生や冬場の高温により耐寒,耐凍性が低下した状態での急激な低温,霜による被害が発生している.また台風,秋の長雨による落下や冠水被害の発生も見られる.長野県では多様な品種により7から12月までの長期に渡るリレー方式の栽培がなされている.災害の時期により各品種の生育度合いが異るため,熟度,加害の度合いも異なる.加害果は大半が未熟果であり安全性や食味で多くの課題がある.一方,未熟果には機能性の成分であるポリフェノールを多く含み,機能性の素材として期待される.気象変動に関し,予測,予防,品目,品種,栽培技術面での対策は進んでいるが,被害を受けた農産物の利用法に関する検討は進んでいないのが現状である.今後,国,地域や産地および加工業者が一体とあり安全面の整備,利用法について取り組む必要がある.

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