日本食品科学工学会誌
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日向夏搾汁の製造工程における各種細菌芽胞の汚染
内田 丈聖岡 美里西原 健坂谷 洋一郎長田 隆
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論文ID: NSKKK-D-23-00012

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抄録

日向夏飲料の微生物学的安全性確保のために,原材料製造工程における日向夏搾汁について,各種細菌芽胞の汚染度を調べた.計11試料において,好気培養では51菌株,嫌気培養では12菌株を分離し,TABについては検出されなかった.また,分離した菌株のうち,Paenibacillus属細菌を最も多く検出し,その他Bacillus属,Paraclostridium属,Clostridium属細菌を得た,これより,これら細菌種が日向夏100%ジュース(pH3.1)中で発育できないため,殺菌指標菌として管理する必要はないことがわかった.今回の実験では検出できなかったTABだが,過去の変敗事例や本菌種の諸性質を考慮すると,殺菌指標菌として検討する必要がある.そのため,今後はTABによる日向夏100%ジュース中での発育試験を行い,発育する場合は,加熱殺菌指標菌として適切な加熱殺菌条件を設定して管理すべきと考える.また,さまざまな野菜汁や果汁を混ぜるミックスジュースでは,pHによってはPaenibacillus属が発育する可能性があるので注意が必要である.

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