論文ID: NSKKK-D-24-00022
同時期に同一圃場で栽培されたさまざまな遺伝的背景を持つアブラナ科野菜のコマツナ,タイサイ,ケール,キャベツ,ルタバガおよび葉ダイコン6作目,計30品種・系統を使って,可食部のNa,K,Ca,Mg,P,Fe,Zn,Cu,Mn,Mo,SrおよびBaを分析した.作目ごとに供試した品種・系統は限られているが,無機元素別に分析すると作目ごとにほとんどの元素でp < 0.05で有意な品種・系統間差が認められた.無機元素含有量に特徴のある品種・系統も見られた.作目間にも,Znではp < 0.05で, Na,K,Ca,Mg,Fe,Cu,Mn,Mo,SrおよびBaではp < 0.001で有意な差が認められ,作目ごとの無機元素含有量には一定の傾向が見られた.参考として分析した別圃場で栽培された芽キャベツとナバナを含めた場合,今回供試したアブラナ科野菜では,緑黄色野菜に分類されるコマツナ,タイサイ,ケール,葉ダイコン,芽キャベツおよびナバナで全般に無機元素含有量が高かった.緑黄色野菜が無機元素摂取の点でも重要であることが改めて示された.