日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
大豆製品の着色に関する研究(第15報)
大豆の蒸しと着色(4)
鎌田 栄基海老根 英雄中野 政弘
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1963 年 10 巻 2 号 p. 53-56

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抄録
(1) 脱脂大豆を蒸したときの着色は表面色,食塩―アルコール水に溶ける色ともに,試料によりかなりの差が見られる。しかし,食塩―アルコール水に溶ける色そのものは,非常に薄く,試料による差が,加工するさいに,さほど問題になるとは思われない。
(2) 丸大豆と脱脂大豆の表面色の差は明るさ(Y%)にして,生のばあい約20%あり,蒸しても,この差は大きく変わらない。
(3) 脱脂大豆のペントサン溶解率は試料による差は少ない。生の試料の水溶性は9%で,110℃で30分蒸すと,それが20%にふえる。
(4) 脱脂大豆の水溶性窒素は生のばあい,試料によるバラつきは大きいが,110℃で30分蒸すとほとんど差がなくなる。なお,生の試料の水溶性窒素の平均値は20%, 110℃で30分蒸した試料のそれは12%であった。
0.2%カセイソーダ可溶性窒素のほうは生のばあいに差が少なく,110℃で30分蒸したものにバラつきが大きい。なお,生の試料の0.2%カセイソーダ可溶性窒素の平均値は82%, 110℃で30分蒸した試料のそれは52%であった。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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