日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
希薄な繊維素グリコール酸ナトリウム液の粘性とその測定法の検討
熊谷 庸永沢 信
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1965 年 12 巻 1 号 p. 1-4

詳細
抄録
CMC-Naについて食品添加物として使用される範囲内の濃度で粘度の測定法を検討し,さらにCMC-Naの希薄液の粘性について多少の考察を加えた。
CMC-Na(セロゲンF-SB)の濃度1g/lより20g/lまでの液についてウベローデ型粘度計および振動粘度計によって粘度を測定し,その結果を検討したところ,この実験に使用したCMC-Naでは7g/l付近までの濃度ではほぼニュートン性を示し,通常の粘度計によって粘度を測定することが可能であるが,それ以上の濃度では非ニュートン流動を示すことを知った。したがってCMC-Naを用いた液状食品であってもある一定の濃度以内で使用しているものであれば,通常の粘度計によって粘度を測定してさしつかえない。
つぎにCMC-Na液の粘性挙動からみて,この実験に使用したCMC-Naの7g/l以下の希薄液ではCMC-Naのエーテル化度や液中に共存するカチオンの種類や濃度がかなり影響を与えることが考えられ,実用上とくに注意を要すると思われる。
著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top