日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
澱粉ノリの離水について(第4報)
アルギン酸プロピレングリコールエステルの添加による影響
笠原 文雄西出 英一
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1967 年 14 巻 10 号 p. 433-437

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抄録
PGAを澱粉ノリに添加した時の澱粉ノリの離水に及ぼす影響を検討した結果,つぎのような知見が得られた。
(1) 澱粉ノリにPGAを添加すると,Na-alg, Na-CMC同様,澱粉ノリの離水が防止されることがわかった。
(2) PGAのエステル化度によって澱粉ノリの離水防止能力が異なり,エステル化度73%以上のとき,対照と比較して,離水が認められなくなる。
(3) PGAの未反応部分に存在するナトリウム塩量によっても澱粉ノリの離水率が変化し,ナトリウム塩量11%以下のとき,対照と比較して離水が認められなくなる。
(4) PGA中の遊離酸量によっても離水率が異なり,遊離酸量16%以下のとき対照と比較して離水が認められなくなる。
(5) エステル化度,ナトリウム塩量,遊離酸量が最適な割合にあるとき,PGAの粘度は澱粉ノリの離水に影響を与えず,Na-alg, Na-CMCと対称的である。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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