日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
果実・野菜の香気成分(第3報)
プラスチックフィルム包装したトマト果汁の揮発性成分および香りの貯蔵による変化
片山 脩大和 一宇津端 一子
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1967 年 14 巻 11 号 p. 495-498

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抄録
トマト果汁をプラスチックフィルムに包装し,貯蔵した際の揮発性成分および香りの変化について検討した。
(1) 室温貯蔵したトマト果汁は5℃貯蔵のものより,揮発性成分の減少が著しく,香りの変化もすみやかに起こる。
(2) 包装したフィルムの種類によって揮発性成分の減少程度が異なり,ポリエチレン包装はもっとも減少がすみやかに起こり,セロファンおよび塩化ビニリデンフィルムは減少が少ない。
(3) 香りの変化もフィルムの種類によって影響され,ポリエチレン包装では室温1ヵ月で商品価値が失なわれるが,セロファンおよび塩化ビニリデン包装では香りの保持がよく,室温3ヵ月後にも商品価値が保たれた。
(4) 酸素透過性の大きなフィルムほど異臭の発生がすみやかに起こるようである。
(5) 香りの損失は明らかにガスクロマトグラムの変化となって現われ,ガスクロマトグラムから香りの変化を推定することも可能と思われた。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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