抄録
アスパラガスの苦味物質をアンバーライトCG50 (H型)に吸着,エタノールで溶離することにより,精製し白色粉末として得た。このものの化学的性質からステロイダルサポニンを証明した。すなわちサポニンの加水分解によりサルササポニンを分離,同定,スミラゲニンの存在を指摘した。糖成分としてラムノース,キシロース,グルコースを検出同定した。このサポニンはβ-グルコシダーゼによって加水分解を受けず,苦味になんらの影響を与えなかった。苦味とは関係なく,アスパラガス熱水抽出残渣からβ-ジトステリンを分離,同定した。