日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
甜菜糖と甘蔗糖に関する研究
(第1報)市販甜菜グラニュ糖と精製グラニュ糖の品質について
長谷 幸水本 豊太郎水島 朝美鈴木 繁男
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1968 年 15 巻 5 号 p. 192-198

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抄録

昭和40年度産甜菜グラニュ糖14点と精製グラニュ糖6点の品質試験の結果
(1) 甜菜糖のほうが灰分量がわずかに多く,無機成分の構成は両者に差があった。とくに甜菜糖はリン含量が多かった。
(2) 甜菜糖のほうが着色度,濁度が大きかった。
(3) 甜菜糖のほうがpHが高い傾向であった。
(4) 甜菜糖のほうがアミノ態窒素が多かった。
(5) 甜菜糖中に糖度が100°を越えるものがあった。
(6) 泡立ちは甜菜糖のほうが大きい傾向であったが,比較的消えやすいものであった。
(7) 粒度は甜菜糖のほうが大きい傾向であった。
(8) 甜菜糖の全試料が精製糖よりも,加熱の際のショ糖の転化率が低く,着色度も低かった。
(9) 吸湿試験では甜菜糖がわずかに吸湿しやすい傾向であった。
(10) 微生物数は甜菜糖のほうがわずかに多かった。
(11) 製糖時期別による品質の差,その他一定の傾向は,今回の試験結果では認められなかった。

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