日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
フィルム包装食品のレトルト殺菌
(第1報)加圧殺菌用パイロットレトルトの熱特性
山野 善正小松 美博
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1969 年 16 巻 3 号 p. 113-118

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抄録

プラスチックフィルム包装食品殺菌用レトルトとして,蒸気-空気混合加圧水冷式パイロットレトルトを試作し,種々の加熱実験を行なった結果
(1) 蒸気および空気はあらかじめ混合してからレトルトへ導入すれば,レトルト内温度分布のバラツキがない。
(2) 空気比30%以下ではレトルト内温度分布はほとんど測定誤差範囲内である。
(3) 水を加熱媒体とする場合は,あらかじめ加熱した水を用いる(熱交換をレトルト外で行なう方法)がよい。
(4) 水冷法が空冷法より7~8倍冷却速度が大きく,食品品質保持の点からも水冷法が有効である。
(5) レトルト圧力と袋の内圧と変形の考察から,内圧による破袋防止のために,0.2~0.3kg/cmcm2の過圧が必要なことを推定し,熱伝達速度の実験結果を併せて実用温度-圧力範囲を提案した。

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