貯蔵温度,茶の水分,包装容器内の酸素含量などが茶の品質およびアスコルビン酸含量などにどのような影響を与えるかを明らかにするため,L32直交表にこれらの因子をわりつけ,茶の貯蔵試験を行ない,その結果を統計的に解析し,次の結果を得た。
(1) 茶の表面色のかっ変には温度および水分の影響が大きく,この実験の範囲内では容器内の酸素量はほとんど影響が認められなかった。
(2) 香気の変化には温度および水分の影響が大きく,ついで酸素もかなり大きく影響していた。
(3) 浸出液の色および味の変化には,温度および水分の影響も大きいが,酸素の影響も香気の場合よりは大きく現われた。
(4) アスコルビン酸含量の変化は浸出液の色および味の変化によく一致し,温度および水分の影響も大きいが,酸素の影響もかなり大きかった。