日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
大豆リン脂質の食品化学的研究
(第2報) リン脂質の自動酸化生成物;カルボニル化合物について
柴崎 一雄木村 繁昭
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1969 年 16 巻 6 号 p. 272-276

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抄録

凍豆腐は長く保蔵すると褐変しまた強い変敗臭を発生し,リン脂質はわずかにphosphatidylcholineのみが検出されるにすきずほとんど完全に分解していた。
分解物がいかなるものか明らかにするため,リン脂質の自動酸化生成物についてまずカルボニル化合物を検討した結果,n-alkanalとしてethanal (acetaldehyde)が同定されカルボニル化合物中でもっとも多かった。2-alkenalは3種類検出され,そのうちの1種類は2-bute-nal (crotonaldehyde)と同定され,他は炭素数5以上のものと考えられた。2-alkanoneは3種類検出され,そのうちの2種類は2-nonanone, 2-octnoneと同定され,他は炭素数10以上のものと考えられた。dienalは1種類が検出された。

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