日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ガスクロマトグラフィーによる“粉わさび”の品質鑑定に関する研究
(第2報) 自動昇温カラムの場合
小嶋 操
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 17 巻 8 号 p. 350-354

詳細
抄録

前報に引つづき,“粉わさび”の品質をおもに高感度ガスクロマトグラフィー(GC)により,鑑定する目的で本研究を行ない,つぎの結果を得た。
(1) GC分析用カラムには5% SE-30/Celite 545, 0.3(i.d.)×225cmのガラス製(カラムA)およびステンレス製(カラムB)を用いた。またカラム恒温槽温度は50°~250℃(ガラス製)および50°~220℃(ステンレス製)に9.5℃/minの割合で自動昇温した。キャリアーガスにはHeを用い,流速は50°で20ml/min (1.8kg/cmcm2)とした。
(2) 前報の条件では分離しなかったアリル芥子油と第二級プチル芥子油に対応するピークは明瞭に分れた。
(3) ガスクロマトグラムのアリル芥子油のピーク面積に対するβ-フェニルエチル芥子油のピーク面積の比を百分率で表わし,Rとした。
(4) 12種の“粉わさび”(c)のRを求め,西洋わさび粉(a)および黒からし粉(b)のRを,ax+b(100-x)=100c式に代入して,“粉わさび”中の西洋わさび粉(x)および黒からし粉(100-x)の配合割合を求めた。
(5) 西洋わさび粉の配合割合が50%以下のものが,ガラス製カラムで4種,ステンレスカラムで3種あった。
(6) “粉わさび”の辛味成分含量および灰分含量も品質鑑定上の因子である。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top