日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ハタハタすしにおける有機酸の変動
阿部 輝雄露木 英男
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1971 年 18 巻 1 号 p. 24-27

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抄録
(1) ハタハタすしに含まれる有機酸の消長を調べるため,生ニンジン,生カブ,米飯,麹,ニンジン,カブの4者混合物,ハタハタ生鮮魚肉,ハタハタすし魚肉中の有機酸組成を,シリカゲルを用いる分配クロマトグラフィーにより測定した。これらのなかには少なくとも,13種類の有機酸(プロピオン酸,酢酸,ピルビン酸,フマル酸,α-ケトグルタル酸,乳酸重合物,コハク酸,乳酸,ピログルタミン酸,アコニット酸,グライコール酸,リンゴ酸,クエン酸)が存在し,そのうち,主要なものは,酢酸,乳酸,ピルビン酸,フマル酸,リンゴ酸およびクエン酸であった。
(2) 生鮮ハタハタ魚肉に比べると,ハタハタすしの魚肉中には,米飯,麹,生ニンジン,生カブの混合物に漬けることによって,新たに,ピログルタミン酸,グライコール酸,リンゴ酸,クエン酸が生成される。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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