日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
セルロース薄層クロマトグラフィー-デンシトメトリーによるブドウアントシアニン色素の簡易分析法
ブドウ果汁の品質に関する研究(第6報)
太田 英明芥田 三郎筬島 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 26 巻 5 号 p. 204-208

詳細
抄録

果実およびその加工製品の品質評価を目的としたブドウアントシアニン色素の簡易迅速な分析法を設定した。
(1) 既知色素の19種類は,溶媒イソブタノール:酢酸:水=8:2:3(1次元方向)および酢酸:塩酸:水=15:3:82(2次元方向)を用いた2次元セルロース薄層クロマトグラム上で,結合糖の数,アシル基の有無およびB環の置換基の差異によって整然と配列した。
(2) クロマトグラム上の色素の配列性および簡単な定性試験の併用によって色素は容易に同定できた。
(3) Malvidin-3,5 DGおよびpeonidin-3,5 DGの色素濃度(0~50μg)とデンシトメーターの読みとの間には良好な直線関係が成立した。
(4) 分析例としてコンコードおよびヒロハンブルグブドウの色素を分析し,コンコードから20種類の色素,ヒロハンブルグから3MG色素のみから成る6種類の色素を分離・同定した。

著者関連情報
© 1979 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top