1979 年 26 巻 5 号 p. 209-214
ワサビ,セイヨウワサビ(ホース)およびカラシの揮発性成分の特徴について,ヘッドスペース法により検討した。
検出された揮発性成分より,Rg値,(i-プロピル芥子油のピーク面積,PA/3-ブテニル芥子油のPA)×100, x値,(n-ブチル芥子油のPA/3-ブテニル芥子油のPA)×100およびy値,(i-プロピル芥子油のPA/sec-ブチル芥子油のPA)×100を求めた。結果,Rg値は,ワサビ〓カラシ>ホース,x値は,ワサビ>ホース>カラシ,y値は,カラシ>ワサビ>ホースとなる傾向を示した。ワサビ乾燥粉末,ホース粉およびカラシ粉のうち,2種材料の混合物を用いる基礎実験において,Rg, xおよびy値と材料採取量の間には,規則性のある曲線関係が得られたことにより,これら2種混合物中の混合割合の推定が可能になった。また,脂肪含有率の異なるカラシの揮発性成分のうち,アリル芥子油量,Rg値およびy値には規則性があった。