1979 年 26 巻 5 号 p. 215-220
オキアミのチロシナーゼを部分精製し,各性質を検討した結果,次の知見が得られた。
(1) 硫安塩析,2回のSephadex G-200, DEAE-セルロース(NaCl 0~0.6M)カラムクロマトにより,電気泳動的に精製単離し得た。PAS染色陽性より,本酵素は糖蛋自と推定し得る。
(2) 至適pHは5.8付近で,至適温度は55℃であるが,耐熱性はなく,55℃,8分間処理で15%の活性低下が認められ,70℃では4分間処理で完全失活する。
(3) KCN, diethyldithiocarbamate, NaN3に阻害されることから,Cu2+酵素と思われる。
(4) NaClによって活性が促進され,アスコルビン酸によって抑制される。