1983 年 30 巻 3 号 p. 133-139
コーヒー豆粉粉末の香気定量法として用いる内部標準を使ったヘッドスペースガス分析法において,粒度および焙煎度の影響を検討した。
(1) コーヒー豆粉末ヘッドスペース中の香気成分量は粉末粒度に大きく影響され,中程度の粒径(20~28メッシュ)において最大となった。
(2) 内部標準物質のピーク高は粒度が小さくなるに従い減少し,コ-ヒー豆粉末粒子表面積との間に高い相関(r=-0.974)が見られた。従って内部標準物質のピーク高を粒度分布に関して補正することが可能となった。
(3) 焙煎が深くなるに従い,内部標準物質のピーク高は減少し, L値との間に高い相関(r=0.965)が認められた。そこで,焙煎度の異なる試料の比較において,一定のL値における内部標準物質ピーク高に換算する補正法を設定した。