1983 年 30 巻 8 号 p. 462-466
プロセスチーズ,ハム,ソーセージから,氷冷した20%TCAにて各種リン酸を抽出し,分画にDowex AG1×4の陰イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーを用い, 0.15M, 0,26M, 0.38M塩化カリウム溶出液(pH5.0, 0.5mM EDTA含有)にてオルト,ピロ,トリリン酸を, 2N塩酸にてその他のポリリン酸を溶出させた。溶出したポリリン酸は過塩素酸にて加熱分解後,リンモリブデン錯体とし,酢酸プチルにて抽出し,比色定量した。
プロセスチーズの総リン酸は五酸化リンとして1.21~2.20%で,その内ポリリン酸は0.21~1.30%で,オルトリン酸/ポリリン酸の比率は0.48~4.52であった。一方ハム,ソーセージでは総リン酸は0.37~0.75%で,その内ポリリン酸が0.16~0.44%で,上記の比率は0.25~1.54で,後者の食品群でポリリン酸の使用比率が高い。