1983 年 30 巻 8 号 p. 467-475
各種容器が貯蔵中の温州ミカン果汁の品質に及ぼす影響について試験した。12°Brixの温州ミカン果汁(濃縮還元果汁)をガラスびん,金属缶(TFS缶)およびプラスチック容器に熱間充填,密封し,水冷後, 37℃, 20℃あるいは5℃で3ヵ月間貯蔵した。各試料のアスコルビン酸,褐変度(OD 430nm),ヒドロキシメチルフルフラールおよび官能検査を経時的に分析,調査した。
供試プラスチック容器中,スタンディングパウチ(ON/Al/PE)およびAl入り積層紙カップ果汁の品質を良く保待しており,ガラスびんおよび金属缶と匹敵した。他方,酸素を透過するスタンディングパウチ(KON/PEおよびON/PE)ならびにプラスチック部分補強Al入り積層紙カップは,アスコルビン酸の減少および褐変度の増加が大で,官能評価も悪かった。
小出し使用において,ヘッドスペースを生じないエキタイト容器(Bag in Box)は,ヘッドスペースのあるガラスびんより良く品質を保持した。