抄録
国産キウイフルーツ4品種,ヘイワード,ブルーノ,アボット,モンティの生育中および追熟後のペクチン,アスコルビン酸,ポリフェノールの含有量およびペクチンエステラーゼ活性を測定した。
(1) 全ペクチン量は,受粉後4ヵ月で最高の3.0~3.5%に達し,のち減少した。生育期間中,HSPが,全ペクチンの80~90%を占め,ペクチン変化の主因をなしていたが,追熟果では,全ペクチン量は約0.7%であり,WSPが1/2以上を占めるようになった。
(2) PE活性は,受粉後1ヵ月目から存在し,最終採収日(11月9日)の試料で最も高くなり,追熟果では,活性がほとんど認められなかった。
(3) アスコルビン酸量は,未熟期が高く受粉後1ヵ月目で約200mg/100gであったが,生育にともない減少し,追熟果では90~110mg/100gであった。
(4) 全ポリフェノール量は,受粉後1ヵ月で180~220mg/100gであったがゆるやかに減少し,受粉後4ヵ月で70~80mg/100gになり,のち追熟によっても変化がみられなかった。クロロゲン酸量は,生育初期,品種間に差があったが生育にともない減少し,追熟果では10mg/100g以下であった。フラバノール型タンニン量は,受粉後1ヵ月で45~60mg/100gであったが,最終採収日の試料および追熟果では,約10mg/100gに減少した。ロイコアントシアン量もフラバノール型タンニン同様に生育に従い漸減し,追熟により微量になった。また,キウイフルーツのアントシアニジンは,シアニジンとデルフィニジンであり,その比はおよそ1:3であった。