日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
生めんの微生物におよぼすガス置換とエタノールの影響
宮尾 茂雄佐藤 匡谷津 富高
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ジャーナル オープンアクセス

1984 年 31 巻 3 号 p. 192-199

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抄録
生うどんおよび生中華めんを対象に,炭酸ガス,窒素ガス置換ならびにエタノール添加による生めんの保存性と微生物相に与える影響について検討し,次のことが明らかとなった。
(1)炭酸ガス,窒素ガス置換により,グラム陰性菌および真菌の増殖が抑制される傾向がみられた。
(2)エタノールは,グラム陰性菌の増殖を抑制し,2%添加では,大腸菌群の増殖はほとんど認められなかった。
(3)生中華めんはpHが高いことから,通常包装においても,グラム陰性菌の増殖はほとんど見られず,Micrococcus,Streptococcusが優勢であった。
(4)ガス置換およびエタノールを添加した生めんでは保存経過にしたがい,Streptococcusが優勢菌となる傾向が強く,それは生中華あんにおいて顕著であった。
(5)炭酸ガスは生めんに吸収され易く,品質に与える影響も大きいので窒素ガス置換の方が生めんを保存する上では効果的と思われた。
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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