1984 年 31 巻 5 号 p. 299-305
大豆多糖類加工品について食品加工への利用を目的に機能性を検討し,次の結果が得られた。
(1) 大豆多糖類加工品は吸水率が大きく,1gあたり6g以上の水を吸う。吸水したものはこしあんのような状態である。
(2) 吸水率は食塩,蔗糖,pHによる変化が少ない。
(3) アルコール水溶液の吸液率はアルコール濃度と共に低下し,アルコールのみでは約2倍である。
(4) 吸水率は加熱により増加し,とくに100℃以上の加熱で大きくなる。吸水したものは加熱してもゲル化せず120℃で加熱すると,吸水率,粘度,ペーストの硬さは増加する。
(5) 吸水率は冷凍-解凍をくり返しても変化しない。
(6) 吸油力は1~2倍量の水を加えたのち,油を加えると大きくなり,3倍以上の油を吸収する。また吸エマルション率は大きい。
これらのことより大豆多糖類加工品は種々の食品の吸水・保水剤として使用できることが推察される。