抄録
緑茶から抽出した粗カテキンと茶葉の主要な4種のアミノ酸類(グルタミン酸,セリン,テアニン,アルギニン)を混合し,凍結乾燥後150℃で加熱した。加熱後,沸騰している脱イオン水に溶解し可視吸収スペクトルを測定するとともに,各物質の含量を測定した。その結果,粗カテキンと4種のアミノ酸類を混合加熱した場合の方が,各々単独で加熱した場合よりも,溶液の着色程度および4種のカテキンならびにテアニンの減少程度が大きかった。
次に,(+)-カテキンとアミノ酸類やアミンを混合し凍結乾燥後加熱した結果,(+)-カテキンの減少程度は両者を混合加熱した場合の方が(+)-カテキンを単独で加熱した場合より大きかった。ただし,酸性アミノ酸は他よりやや影響が少なかった。