日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
モモ果実缶詰の甘味度に対する嗜好評価
飯野 久栄垣内 典夫小沢 百合子大和田 隆夫山下 市二
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 31 巻 5 号 p. 314-320

詳細
抄録

モモ果実缶詰の甘味度に対する嗜好性を評価するため黄肉桃'C-6-35','錦'および白肉桃'大久保'を用いて,それぞれ2シーズンにわたり糖度別の缶詰を製造し,開缶検査と官能検査を行い,およそ次のような結果が得られた。
(1) 缶詰専用種の黄肉桃と白肉桃(大久保種)とでは,嗜好に若干の相違がみられた。すなわち,黄肉桃は糖度13%区で回答が2分するが,白肉桃では評価が低かった。
(2) 全般に,Bx°15~°19区間では“うまい”と評価した数は圧倒的に多く,嗜好順位はBx°13<Bx°15<Bx°17=Bx°19とみなされた。
(3) 缶詰製造の主要製品の糖度はBx°17附近が妥当と考えられた。
(4) 農林規格の糖度基準(可溶性固形分)の改定は消費者及び生産者の両者にとって好ましい措置とみなされた。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top