1984 年 31 巻 5 号 p. 346-349
アルコール発酵性カビであるRhizopus javanicus ATCC 44037の生産するセルラーゼの各種セルロース性物質への分解特性およびセルラーゼ合成に与えるカルボキシメチルセルロース(CMC),グルコースの影響について検討した。本酵素のCMC,キシラン,アビセル,ろ紙に対する相対的分解活性はおのおの,100, 88, 36, 12であった。CMCは菌の発育には阻害約であったが,セルラーゼ合成には必要で,CMC濃度0.4%で発育したときに最大の比活性が得られた。一方,グルコースは発育を促進するけれども,セルラーゼ合成には阻害的であり,更にβ-glucosidase合成も阻害することが分った。