1984 年 31 巻 8 号 p. 496-501
たん白の網状構造が細かく,均一に分散するという足の強いかまぼこの特徴自体が結合水を増加させる原因になり得るかどうかについて考察した。かまぼこの中に仮想上の直線を設定すると,それに沿ってイオン性アミノ酸残基が多数存在し,直線上に電位を生ずると思われる。ある電界電位以上にある領域で水が束縛を受けて結合水になるとすれば,アミノ酸残基が分散して存在する程,その領域が大きくなることが静電気学的に導びかれる。したがって,足の強いかまぼこの上記の特徴が結合水を増加させている可能性がある。