日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
味噌熟成中における不溶性画分のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンの変化
新国 佐幸伊藤 寛田中 正志太田 輝夫
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1984 年 31 巻 8 号 p. 502-510

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抄録

味噌熟成中における大豆蛋白質の分解過程を明らかにするため,味噌の熟成中の不溶性画分について,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法及び6M塩酸グアニジンによるゲル濾過法により検討した。SDS電気泳動では,仕込み後10日以内に大豆蛋白質由来のバンドの減少,消失が認められ,低分子の新しいバンド(分子量約1×104)が現われた。10日以後その泳動パターンは,ほとんど変化しなかった。6M塩酸グアニジンによるゲル濾過の結果も同様な傾向を示した。これらの結果より,大豆蛋白質は熟成初期に大部分が分解され,不溶性として味噌中に存在する蛋白質は,麹菌酵素によるそれ以上の分解を受けにくいことが判った。

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