日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
中国酢の遊離アミノ酸・有機酸・香気成分について
中国酢の成分に関する研究(第2報)
小泉 幸道中小路 忠彦柳田 藤治
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1985 年 32 巻 4 号 p. 288-294

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抄録

中国酢の遊離アミノ酸,有機酸,香気成分について分析を行い,日本の米酢と比較した。また,香味の官能試験を行った。
(1) 遊離アミノ酸については,含量の多いのはアラニン,グルタミン酸,リジン,ロイシンで少ないのはトリプトファン,ヒスチジン,プロリン,シスチンであっ
た。日本の米酢の全アミノ酸量と比較すると,中国酢の方が約10倍多かった。
(2) 酢酸を除いた有機酸については,乳酸の含量が一番多く,次いでピログルタミン酸であった。
(3) 香気成分については,アルコール類とエステル類の含量が非常に多かった。
(4) 香味の官能試験については,酢酸の刺激臭が少なく,焦げ臭,苦味,渋味が感じられた。
日本の米酢と比較すると,中国酢の方が各成分共,含量が非常に多いのは,原料や製造法の違いによる影響も大きいと推察した。

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