日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
最大周辺尤度平滑化法による野菜の消費傾向
柳本 正勝久保 直哉柳本 武美
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1986 年 33 巻 4 号 p. 238-243

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抄録

系列データの新しい処理法である最大周辺尤度平滑化法により,家計調査年報(1963~1982年)を資料として野菜の消費傾向を解析した.本法がかかる解析に優れた手法であることが明らかになると共に,以下の知見を得た.
(1) 生鮮野菜の家庭での年間消費量はこの20年で増加から減少に転じたといえ,そのピークは1973年と計算された.
(2) 根菜の消費量がほぼ直線的に増加したのに対し,果菜の消費量は増加から減少に転じている.
(3) 果菜のこの傾向は特定の品目によってもたらされたものでなく,果菜類の野菜6品目中5品目が似た傾向にあった.
(4) 根菜類の中ではにんじんの消費が一番堅調であり,加速度的増加から直線的増加へと推移した.
(5) 減少傾向が最も著しいのははくさいで,その消費は減少速度を速やめた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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