日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ポリビニルポリピロリドン処理廃糖蜜に対する各種担子菌の脱色性ならびに糖資化性の検討
担子菌による甘蔗廃糖蜜の脱色(第2報)
玉城 一岸原 士郎藤井 聰河本 正彦有田 郁夫平塚 直秀
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1986 年 33 巻 4 号 p. 270-273

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抄録

廃糖蜜を担子菌の生育菌体で脱色処理する場合,担子菌中のPPOによる着色があった.廃糖蜜をPVPP処理し,PPOの基質となるポリフェノールを除くことにより,ほとんどの菌で,初期の着色現象なしに脱色させることが出来た.PVPP処理廃糖蜜にたいして高脱色能を有する担子菌としては,Coriolus versicolor IFO 4937(脱色率,84.4%), Coriolus hirsutus IFO 4917 (81.8%),Lenzites betulina IFO 6266 (80.6%)等が挙げられたが,これらの菌はいずれもスクロースを資化するTypeの菌であった.スクロースを消費せずに廃糖蜜を脱色する担子菌の一つの指標としてS/A値を導入した.その値に基づいて優良担子菌を選抜すると,グルコースのみを資化するTypeに属するPleurotus ostreatus IFO 6519 (S/A値18.56), Oxyporus populinus TMI 50016 (17.08)が優良菌株として挙げられた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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