日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
各種茶(緑茶,半発酵茶,紅茶)浸出液およびティードリンクス中のカフェイン,カテキン組成
寺田 志保子前田 有美恵増井 俊夫鈴木 裕介伊奈 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 34 巻 1 号 p. 20-27

詳細
抄録

(1) HPLCによるカフェイン,カテキン類(5成分)の同時分離定量法について検討の結果,カラムULTRON N-C18を用い,0.1%リン酸溶液(0.1%アセトニトリル及び5% N, N-ジメチルホルムアミド含有)及びアセトニトリルによるグラジエント溶出法により精度よく分離定量することが出来た.
(2) 上記方法により,同一原料からモデル製造した各種茶,台湾及び中国産鳥竜茶,市販鳥竜茶のカフェイン,カテキン類濃度を定量した.
(3) 各種茶のカフェイン濃度はあまり差がなかったがカテキン類は醗酵が進むにつれて減少することから,カテキン5成分のカフェインに対する組成比率を用いて各種茶の分類が可能であった.
(4) 市販鳥竜茶のリーフティーではカテキン類の組成比率が標準の鳥竜茶と類似していたが,ティーバッグ,ティードリンクスでは類似率からみてほうじ茶に近い傾向がみられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top