1987 年 34 巻 1 号 p. 20-27
(1) HPLCによるカフェイン,カテキン類(5成分)の同時分離定量法について検討の結果,カラムULTRON N-C18を用い,0.1%リン酸溶液(0.1%アセトニトリル及び5% N, N-ジメチルホルムアミド含有)及びアセトニトリルによるグラジエント溶出法により精度よく分離定量することが出来た.
(2) 上記方法により,同一原料からモデル製造した各種茶,台湾及び中国産鳥竜茶,市販鳥竜茶のカフェイン,カテキン類濃度を定量した.
(3) 各種茶のカフェイン濃度はあまり差がなかったがカテキン類は醗酵が進むにつれて減少することから,カテキン5成分のカフェインに対する組成比率を用いて各種茶の分類が可能であった.
(4) 市販鳥竜茶のリーフティーではカテキン類の組成比率が標準の鳥竜茶と類似していたが,ティーバッグ,ティードリンクスでは類似率からみてほうじ茶に近い傾向がみられた.