1992 年 39 巻 3 号 p. 227-232
高濃度クリームを原料とするバターの連続式製造法について以下のように検討した.
(1) バッチ式試作で良好な結果を得たことから,温和な冷却特性をもつ掻き取り式熱交換機やマーガリンテストプラントを用いて事前転相処理,結晶化への保持時間など検討した結果,バター組織はワキシーで硬く,またパーチ包装への適性が乏しいものであることが判明した.
(2) 加圧できるように多孔板と熟成部を併置した混練機を導入し,エージング処理に変わり得る適度な結晶成長をさせる処理により,適度な物性と包装適性のある連続式バター製造法を確立した.
(3) 示差走査熱量計と動粘度モニタリングシステムでの測定結果より,加圧の迅速な結晶成長促進や安定な結晶形への移行促進効果が認められた.