日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
酒類の香気成分分析におけるヘッドスペースGC法の改良
長井 裕美
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1992 年 39 巻 3 号 p. 264-270

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抄録

水で希釈して溶媒組成を変えたり,塩を添加することによって,酒類中の溶解成分の気相への分配係数が増加し,その結果,ヘッドスペース法における感度向上が認められた,水による効果は,特に中高沸点エチルエステル成分に対して顕著である.単位濃度あたりの感度は,水が多いほど(すなわちエタノール濃度が低いほど)高くなるが,測定試料中の濃度は当然低くなるため,最も効果的に行なうためにはエタノール濃度が15%程度になるように水を加えると良い.
また,塩による効果は塩の種類により大きな違いがあるが,塩化ナトリウムを飽和するまで加えると成分によってはさらに2~3倍の感度上昇が認められる.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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