日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
磁性化坦体の調製方法とグルタミナーゼ固定化処理条件の検討
グルタミンのグルタミン酸への変換に関する磁気感受性固定化グルタミナーゼの利用性(第1報)
小瀬古 茂樹久松 眞山田 哲也
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1994 年 41 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

グルタミナーゼは,醤油麹の加水分解液中に含まれるグルタミンをグルタミン酸に変換する.グルタミナーゼ固定化坦体の磁気分離による回収と繰り返し利用を可能とするキトサン包埋鉄粒子と結合した部分的脱アセチル化キチンからなる磁性化坦体の調製方法と酵素固定化処理条件を検討した.
(1) 高濃度食塩中での長期間の使用に適する坦体は,食塩による損失の最も少ないキトサン包埋鉄粒子とPDACからなる磁性化坦体MC4Pと決定した.
(2) MC4P磁性化坦体は,水溶液中でも磁力に対し高い応答を示し,磁気分離により容易な回収を可能とすることを認あた.
(3) 固定化酵素の100%の活性発現率を示す添加酵素量は, pH7.0, 50mM燐酸緩衝液を使用したとき,単位坦体(MC4P)当たりおよそ15Unit迄であった.
(4) 磁性化坦体MC4Pに固定化したグルタミナーゼ活性は, 15%食塩存在下で36日間安定であった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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