鶏卵黄リポタンパク質(Yolk lipoprotein, YLP)の,単球系細胞株U-937, THP-1, U-M細胞および3種のハイブリドーマ細胞に対する増殖促進効果を調べた.その結果,いずれの細胞についてもYLPは増殖促進効果を示した.
YLPを超遠心分離によって分画し,比重の小さいほうからYS-1, YS-2, YS-3, YS-4の4画分を得た.YS-1の主成分はLDLで,わずかに他の蛋白質成分が含まれていた.また,脂質成分が乾燥重量の約80%を占めていた.YS-2, YS-3はリベチンを主成分とし,脂質はほとんど含まれていなかった.
YS-1は強い細胞増殖促進活性を持ち,YLPよりも低濃度で増殖効果が見られた.YS-2, YS-3には細胞増殖効果はほとんど見られず,YLPの細胞増殖作用はYS-1に含まれるLDLによると結論した.