日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
低温下での風乾処理がカットキャベツの品質変化に及ぼす影響
カットキャベツの生理・化学的変化に関する研究(第1報)
阿部 一博高橋 徹
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1994 年 41 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

カットキャベツの品質保持を目的として,キャベツを切断後,低温下(1℃)で風乾し品質変化に対する影響を調査した.
(1) 処理1, 2, 3, 4時間後には切断直後に対して約2,3, 4, 5% の重量減少がみられた.2時間処理直後のカットキャベツでは萎凋がみられるが,総合的には処理区と対照区に差はなかった. 1℃保持7日では両区とも外観の変化は非常に少なかったが,15日では処理区の方が評価が高かった. 20℃保持では品質変化が著しかつたが,保持期間を通じて処理区の方が変化が少なかった.カットキャベツの表面色は緑色の明らかな減少がみられた.
(2) 保持中の化学成分はいずれも変化が少なく,また処理による影響はなかった.
(3) カットキャベツの呼吸量は12時間で最大となった後減少しほぼ一定となり,処理区は対照区とほぼ同様であった.またエチレン生成は切断後12時間で最大となった後減少しその後ほとんど検出されなくなった.処理区の生成量は,12時間では同程度であったが,それ以外では対照区より少なかった.

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