1994 年 41 巻 1 号 p. 51-57
市販のスケトウダラ冷凍すり身SA級, FA級および陸上2級の計46試料について,肉糊の加熱ゲル強度(J.S.)と加熱温度との関係を検討した.その結果,加熱温度40~90℃において, J.S.は経時的に一旦増加したのち減少する傾向が認められ,加熱時間20分以降で起こるゲルの劣化からゲル劣化速度定数(KG)を算出すると, 60℃未満の加熱温度域において,上級のすり身ほど小さかつた.このことから,坐り温度(40℃)でのKGが,冷凍すり身の品質評価の指標となることが示唆された.