日本食品科学工学会誌
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応力緩和試験と3要素粘弾性モデルによる食パンのレオロジー的評価
呉 計春森嶋 博瀬尾 康久相良 泰行
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1996 年 43 巻 12 号 p. 1285-1292

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抄録

食パンのレオロジー特性を評価する方法として応力緩和曲線に3要素粘弾性モデルを適用する方法を提唱し,その結果から焼成条件・保存時間とパラメータK1+K2,K2,η1/Klとの関係を明らかにした.以下にこれらの結果を要約する.
1) 焼成温度,焼減率などの焼成条件がクラムの粘弾性パラメータK1+K2, K2, η1/K1におよぼす影響は,焼成後1時間まではほとんど認められなかったが,その後の保存時間の経過に伴いその影響は顕著に現れた.
2) クラムのη1/K1,すなわち応力緩和時間の値は焼成後の保存時間の経過とともに急速に小さくなり,保存時間約12時間後にはほぼ平衡状態となった.焼減率が等しい場合,このη1/K1の平衡値は焼成温度が高くなるほど大きい値を示した.
3) クラムのK1+K2とK2,すなわちクラムの硬さの指標は焼成後の保存時間の経過とともに指数関数的に大きくなる.また,標準的焼成温度,すなわち,220℃で焼成したクラムのこれら値は他の焼成温度条件の場合に比べ最も高い値を示した.

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