日本食品科学工学会誌
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ゲル状物質の定圧圧搾脱水
中倉 英雄西垣 太松岡 敏文三分一 政男大佐々 邦久
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1996 年 43 巻 6 号 p. 674-682

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抄録

天然高分子ゲルの寒天ゲルおよび油ゲル化剤の添加によるA重油ゲル,食用油ゲル,合計3種類のゲル状物質を用いて定圧圧搾実験を行い,圧搾過程に及ぼす圧搾圧力,ゲル濃度等の影響について検討した結果,以下の知見が得られた.
(1) ゲル状物質の圧搾による脱水過程は,固液混合物のプロセスと類似してゲルの濾過期間に続く圧密期間のプロセスとして解析が可能であった.
(2) 寒天ゲルの導電率測定により結合水および半結合水の割合を明らかにし,圧搾特性値の正しい見積りにおいては,半結合水量に基づく極値ゲル体積を適用することが重要なことを示した.
(3) 圧搾特性値である修正濾過係数Kωおよび修正圧密係数Ceの実測値は圧搾圧力pおよびゲル濃度Sgの関数として整理できた.これらの値を用いて種々の圧搾脱水過程を計算することができることを示した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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