米糠を酵母,乳酸菌,Bacillus属細菌を用いて発酵させ,そのSOD様活性を調べた.
(1) Saccharomyces属酵母,乳酸菌,Bacillus属細菌による発酵物のSOD様活性を比較すると,Saccharomyces属酵母のうち特にウイスキー酵母とパン酵母の両発酵物で高い活性が認められた.
(2) Saccharomyces属酵母による米糠発酵物では,エタノール産生量とSOD様活性の間に負の相関が見られた.
(3) Saccharomyces属酵母による米糠発酵物中に含まれる抗酸化物質の主体は蛋白質複合体であった.又,蛋白質をゲルろ過HPLCで分取した結果,分子量30000∼78000までの広範囲画分にSOD様活性が見られた.