日本食品科学工学会誌
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超音波照射によるこんにゃく粉製造技術の改良
コンニャク粉の精製に及ぼす超音波照射の効果(第2報)
木村 友子菅原 龍幸後藤 真彦
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2000 年 47 巻 8 号 p. 604-612

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抄録
蒟蒻粉の利用拡大に資する目的で,工業的規模で利用可能な超音波照射型マンナン洗浄装置の開発をして,好適な精製条件と精粉の品質を検討した.
(1) 開発装置適用の大量蒟蒻粉の最適な精製条件はエタノール濃度30%,処理温度30°Cで,照射時間は10分間と5分間(合計15分間)の2段階処理が最も有効であった.この精製蒟蒻粉は白色度が高く,ゲルはTMA,DNAの値が顕著に減少し臭気成分が減少され,みかけの粘度と食物繊維含量が増加し,且,ゲルの食味特性を向上させ,品質が改良できた.
(2) 走査型電子顕微鏡による組織学的観察からは照射処理により精粉粒子は損傷・破壊が認められず,処理前の精粉や非照射の精粉に比べ表層部の不純物が著しく除去せれ,超音波処理効果の状態が観察された.
(3) 精粉の理化学的性状値と官能評価からは大量法と少量法とは同等の精製効果があることが確認できた.
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