日本食品科学工学会誌
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Lactobacillus gasseriNY0509およびLactobacillus casei NY1301の人工消化液耐性並びに腸内有害菌抑制効果
東幸 雅伊藤 和徳佐藤 学
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2001 年 48 巻 9 号 p. 656-663

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抄録
L. gasseri NY0509およびL.casei NY1301のin vitroにおける人工消化液(人工胃液および人工胆汁液)耐性および腸内有害細菌(E. coliおよびC. perfringans)の生育に対する抑制効果を検討した.
(1) L. gasseri NY0509およびL. casei NY1301は,両菌株とも0.04%ペプシンを含むpH 3.0の人工胃液中で,4時間後まで高い生残性を示した.また,0.3%胆汁末を含む人工胆汁液中で,L. casei NY1301は比較的高い増殖性を示した.一方,L. gasseri NY0509の増殖は抑制されたものの,胆汁耐性を示した.
(2) 腸内有害菌との混合培養試験において供試Lac-tobacillus 2菌株は,E. coli JCM 1649Tの増殖に対し抑制作用を示さなかったが,これらの2菌株が定常期に入った48時間後では,(a) L. gasseri, (b) L. casei, (c)L. gasseri+L. caseiは何れもE. coliの菌数を明確に減少させ,その作用は(c)が最も強く,これらLactobacillusの乳酸産生量に依存していた.C. perfringens JCM1290Tの増殖に対しては,(c) L. gasseri+L. caseiのみ若干の抑制作用を示した.さらに,L. gasseri NY0509およびL. casei NY1301が定常期に入った48時間後では,(a) L. gasseri, (b) L. casei, (c) L. gasseri+L. caseiの何れもC. perfringensの菌数を明らかに減少させ,その作用は乳酸濃度産生量が最も多かった(c)が最も強かった.
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